
WAKU hair salon
大阪市内の南北に細長いビルの一室に計画した美容院の設計。
南面と西面に開口を持つ空間には、午後になると西日が強く射し込んでいた。カーテンやブラインドによって日射を遮ることもできたが、時間とともに移ろう光の変化を室内に取り込みたいと考え、縦長のパネルを一定の間隔をあけて並べる構成とした。
パネルの配置は、太陽の動きをシミュレーションしながら検討を重ね、カットやカラーの最中にお客さんや美容師の体へ直接光が当たらないよう配慮しつつ、パネルの隙間からは、時折鋭い光が床に差し込むよう設計している。


LVLパネルは、日差しの制御に加え、南北に細長い室内を緩やかに分節し、電気配線を納める役割も担っている。こうした複合的な機能を一体化することで、空間全体の統一感を図った。
壁でも布でもない中間的な存在として連続するパネルは、光の表情だけでなく、風が吹き抜けるような空気の動きも感じさせる空間をつくり出している。







施主 : 或美容室 設楽悦子
施工:嵩倉建設
撮影 : 山田圭司郎